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【GNI】2020年12月期 本決算【2021年は投資のため減益です】

こんにちは、なんとなく健康の為(ポイントの為)に日々、歩き続けているぷぅです。

GNIの2020年12月期 本決算発表、上方修正及び金融費用等の計上の発表がありました。

2020年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)

2020年12月期連結業績予想と実績との差異に関するお知らせ

金融費用等の計上に関するお知らせ

さっそく見ていきましょう。

今回の決算を理解するには金融費用等の計上に関するお知らせが重要です。

なお、本記事には決算の数値データは表形式でしか表示しておりません。2015年以降の業績変化のグラフは下記の記事をご覧ください。(ただし、IEでは動きません)

rpuu.hateblo.jp

引き続き増収増益

2020年12月期 本決算の結果は、売上9,773百万円(+31.3%)、営業利益1,869百万円(+43.6%)、当期利益993百万円(+57.7%)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,088百万円(+498.5%)と増収増益となりました。

これは医薬品事業セグメント(アイスーリュイ主体)が引き続き好調に推移したことによるものです。

また、新型コロナウィルス感染拡大の影響で前期を中心に米国での医療機器事業の苦戦が見られましたが、通期としては前年比で僅かな減収・減益にとどまりました。

なお、金融費用等の計上で記載されているように第4四半期においてCullgenにおいて生じた支払い利息のため約4億円を計上しています。

この結果、第3四半期との比較においては、売上・営業利益・親会社の所有者に帰属する当期利益は大きく伸びていますが、税引き前利益及び当期利益は僅かな伸びにとどまっています。

親会社の所有者に帰属する当期利益が伸びていることについては、GNIのCullgenの持ち株比率が約1/3程度である事からこのような数字になっています。

「Cullgen Inc.が2020年12月に資金調達を行った結果、当社の出資比率が減少した」との記載もありますが、この影響はCullgenの前年の決算や現在の持ち株比率(36.43%)からするとそれほど影響はないのではないかと考えています。

(というかCullgenの資金調達の話ぐらいIRしてくれ~)

今回の決算短信では、当期利益の帰属の項目が特徴的ですね。

非支配持分が-9.5億と第3四半期では+4.3億だったのに急減してます。

Cullgenの費用増大が伺えます。

次にセグメント毎に四半期毎の動向を見てみます。

医薬品事業

医薬品事業(アイスー86% + ヘルスケア事業) 単位:千円
  前10-12月 1-3月 4-6月 7-9月 10-12月
売上収益 1,699,235 1,693,935 1,849,312 2,213,472 2,288,912
(変化率) +15.9% -0.3% +9.2% +19.7% +3.4%
セグメント利益 27,882 285,555 261,068 436,060 219,357
(変化) -154,847 +257,673 -24,487 +174,992 -216,703
期末為替レート 15.6円/元 15.1円/元 15.2円/元 15.5円/元 15.8円/元
(変化率) +3.2% -3.2% +0.7% +2.0% +1.9%

医薬品事業については、売上収益が第3四半期比で+3.4%でゆるやかな伸びを示しました。第3四半期が大きく伸びていた事を考えると十分な結果だと思います。

一方、セグメント利益では第3四半期比で大きく落ち込んでいます。

第4四半期では、後述する販管費及び研究開発費の伸びがこの医薬品セグメントに影響しているのだと推測します(Cullgenの影響が大きい??)

今後もCullgenの販管費及び研究開発費が急激に増加するステージに入るので、アイス‐リュイのみでは適応拡大がなければセグメント利益としては大きな伸びは見込めないと考えます。

F351の上市が望まれるところです。

医療機器事業

医療機器事業(主にBAB社)  単位:千円
  前10-12月 1-3月 4-6月 7-9月 10-12月
売上収益 434,378 431,971 421,015 359,303 551,649
(変化率) -3.2% -0.6% -2.5% -14.7% +53.5%
セグメント利益 178,161 130,402 184,397 112,023 290,012
(変化率) -17.8% -26.8% +41.4% -39.2% +158.9%
期末為替レート 108.7円/ドル 107.5円/ドル 107.9円/ドル 105.4円/ドル 103.2円/ドル
(変化率) +0.5% -1.1% +0.4% -2.3% -2.1%

米国における新型コロナの感染拡大の影響で第3四半期まではかなり苦しい展開でしたが、第4四半期で大きく盛り返しました。

これは個人的にかなりのサプライズ!

結果として通期では前年比で僅かな減収・減益となりました。

2021年12月期は、「医療機器事業の売上収益ならびに利益水準は2019年12月期と同程度」との記述がありますが、第4四半期の数字を見るともう少し期待をしてしまいます。

各種経費

販売費及び一般管理費、研究開発費、減価償却費 単位:千円
  前10-12月 1-3月 4-6月 7-9月 10-12月
販売費及び一般管理費 1,309,608 1,122,503 1,090,111 1,283,252 1,684,849
(変化) +329,924 -187,105 -32,392 +193,141 +401,597
人件費 526,809 458,554 406,949 538,812 489,287
(変化) +118,528 -68,255 -51,605 +131,863 -49,525
研究開発費 200,908 208,909 373,559 273,443 387,247
(変化) -51,943 +8,001 +164,650 -100,116 +113,804
減価償却 63,012 71,854 83,535 55,547 109,864
(変化) -2,663 +8,842 +11,681 -27,988 +54,317

おそらくCullgen関係だと思いますが販管費が第3四半期比で+4億円と急伸しています。ただ、人権費は第3四半期比で微減しているのでなんの費用が増えているんでしょうね?

ちょっと推測しかねます。

また研究開発費も過去最高を更新しました。

こちらもCullgen関連費用の増加でしょうか。

研究開発の進捗状況

放射性肺炎(RP)

治験実施計画書の登録基準の変更後、2020年12月末時点で86名の被験者の登録が行われました。

72名 → 86名で第4四半期中に治験者登録が進みました。

糖尿病腎症(DN)

2020年12月末時点で第1相臨床試験の予備研究として16名の治験者が登録されました。

14名 → 16名で少し治験者登録進みました。

結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)

強皮症およびDMの治療を対象とした第3相臨床試験を実施中、強皮症には144名、DM試験には152名の被験者が登録される予定です。

2020年9月末時点で強皮症は12名、DMには36名が登録されています。

強皮症:変わらず

DM:23→36名

じん肺治療薬

引き続き第3相臨床試験の準備中。

F351

中国第2相が完了しています。

その後の展開待ち。

中国第2相臨床試験の結果をうけ、米国で実施可能な第2相臨床試験の疾患適応および用法・用量を検討中。

タミバロテン

NMPAより求められていた追加データ2020円6月に提出が完了しましたが、申請を却下されました。

今後の方針を東光製薬工業と協議中。

F573(急性/慢性肝不全)

2020年9月に仁安病院より第1相臨床試験実施の承認を受け、第1相臨床試験において使用する人類遺伝子情報の届け出をHGRA(HumanGeneticsResourcesAdministration)に提出しました。

前回から変わらずです。

Cullgen

がん、痛み、及び自己免疫疾患の適応症に対する酵素および非酵素タンパク質の両方の標的を含む6つの新しい分解剤を利用した創薬パイプラインの研究活動を進めています。

Cullgenは現在5つの新しいE3リガンド分解化合物の開発を進めております。

と記述されています。

なんか数字が毎回変わっていますね。。

2021年12月期の業績予想

2021年12月期は、売上11,803百万円(+20.8%)、営業利益1,220百万円(-34.7%)、当期利益470百万円(-52.7%)、親会社の所有者に帰属する当期利益778百万円(-28.5%)となっています。

売上はほぼ線形的な増加が予想されています。

ただこれだと売上総利益は100億円弱ですね。。

ストックオプションの行使条件は満たせないけどどうなのか。

 

利益面では大きく減益予想です。

これは、Cullgenの本格的な臨床試験への準備に10億円程度の販管費の増加が予想されている為です。

BABの完全子会社化した事もあり、親会社の所有者に帰属する当期利益の減少幅は少なめ。

医薬品事業は競合会社の参入というのが少し気になるところですが、少し控えめな予想な印象は受けます。

業績の上振れやF351の早期承認に期待したいところです。

なお、今後さらにCullgenの費用が増大する事を考慮すると当期利益に比較し、親会社の所有者に帰属する当期利益が大きくなる事が想定されます。

これは、これまで北京コンチネント薬業有限公司の持分が約1/2だったのに対し、研究開発を進める子会社の持分が100%だった事により親会社の所有者に帰属する当期利益が伸びなかったことの逆の現象が起きそうですね。

まとめ

今回の決算ではCullgenの費用拡大が鮮明になった決算と言えます。

今後臨床試験のステージに進む予定という事で将来の発展を見据えると必要な先行投資です。

というか、こんなに費用を投下しつつ黒字を確保できるようになったGNIの成長が素晴らしいですね。

今期は子会社上場、F351の早期承認、Cullgenのパイプラインの臨床入りとなかなか楽しい材料が目白押しなのでGNIからの朗報を期待して待ちたいと思います。

 

※なお、本記事記載の4半期毎のデータは、決算短信の数字から独自に計算した値です。誤りが含まれる可能性があるので利用にはご注意下さい。

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